NOIR(ノワール) その3

久しぶりに更新が、また「ノワール」でガッカリされるかもしれないが、
まだまだ触れておきたい部分がある。
「ノワール」のストーリー展開が小池一夫原作劇画と通じる部分があると
オレは書いてきたが、決してまるで小池作品のようなアニメではないことだ。
夕叢霧香とミレイユ・ブーケという女性2人が主人公なのだが、
完全に恋愛やセックスとは無縁な部分で裏社会に生きているのである。
これはTV放送されたアニメ作品であることも事情としてあるのかもしれないが、
小池作品が偽悪的にセックスへこだわりを見せることに対して
「ノワール」は清潔感を前面に押し出すことで、その独特の世界を構築している。
例えばソルダという黒社会の組織側からクロエという同じく殺し屋の女の子が出てくる。
クロエはアルテナという上司と暮らしていて、
その暮らしぶりは、まるで世界名作劇場のように美しく描かれる。
後半はソルダが送り込む殺し屋とミレイユたちが戦うという展開だが、
殺し屋の男達は決して霧香とミレイユをレイプしようなどとは考えない。
あくまでも冷徹に任務を完了すべく殺そうとするのである。
セックスを引き合いに出すのはいささか乱暴なので
ポイントを恋愛面に向けると、これまたほとんど皆無なのだ。
かといってレズなのか?というと、そうでもない。
色恋に関してはあくまでも潔癖な姿勢を保ち続ける物語あのである。
一見、近いように見えて「巨人の星」や「あしたのジョー」に見られる潔癖さとも違う。
梶原一騎作品は性欲はあると前提にしつつ、
色恋を捨てて精進しなくてはいかんという教訓になってくる。
「ノワール」の世界観は梶原的なストイックさとも無関係に潔癖なのだ。
ともかく「ノワール」はオレの中でも思い入れの強いアニメになった。
例えば「涼宮ハルヒの憂鬱」などは続編の登場に期待するのだが、
「ノワール」にそういう期待はない。
もしろ、このまま静かに眠っていて欲しいと願う貴重な作品なのである。

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